

社会福祉士の活躍の場は日々広がっており、公務員においても社会福祉士を資格要件とする自治体が増えています。
一般的に公務員になった場合のメリットはインターネットや本を読むことで多くの情報を得られます。
では、社会福祉士の資格を活かして公務員になった場合はどうでしょう?
- 一般的にいわれている公務員のメリットデメリット
- 社会福祉士の視点から見たメリットデメリット
を、紹介します。
そして、合わせて実際の現場はどうなのか、私が肌で感じたことも紹介します。
一般にいうメリットデメリットとは違う部分が多いです。
公務員の就職、転職を考えている方は有益な情報だと思います。是非最後までご覧ください。

コンテンツ
ーこの記事の筆者についてー

新卒でメーカー営業を2年するも挫折、紆余曲折あり福祉施設に8年勤めました。その間社会福祉士を働きながら取得しています。
その後、30代で地方公務員に資格枠(社会福祉士)で採用され今日に至ります。後に精神保健福祉士の資格も取得しています。
実体験を交えながら有益な情報を伝えていきます。
こんな方に読んで欲しい

- 社会福祉士の資格を活かして公務員を目指すか考えている。
- 社会福祉士の資格で公務員になった場合のメリットやデメリットを知りたい。
【結論】社会福祉士が公務員になるのは一般に比べ違ったメリットが多い
- メリット
- 給料が良い・充実した福利厚生
- 社会的信頼を得れる
- 安定した生活・ワークライフバランスがとりやすい
- デメリット
- 年功序列の組織体制
- 定期的に異動がある
- メリット
- 給与や福祉厚生が充実しており、仕事に集中して取り組める
- 転職しなくても様々な場所で働け、経験を積むことができる
- 行政の立場から福祉と向き合い、行政の仕組みを深く知ることができる
- デメリット
- ひとつの分野に特化することは難しい
- 複数の役割分担を与えられることがある
一般公務員のメリット・デメリットと社会福祉士からみた場合を比べてみよう
一般的に言われる公務員のメリット


デメリットもあれば知っておきたい
まず、世間で広く知られている公務員の代表的なメリットを紹介します。
-
給料が良い・充実した福利厚生
-
社会的信頼を得れる
-
安定した生活・ワークライフバランスがとりやすい
一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。各項目をもう少し掘り下げていきます。
①給料が良い・充実した福利厚生
公務員の給与は年数を重ねるごとに自然に上がります。働く過程で出世をすれば役職手当が加算されるので更に収入は増えます。
収入が少しづつでも増えるので安心して働けます。
しかし、自動的に給与が上がる分、成果や努力はなかなか評価されない部分があります。「上司より働いているのに給料は全然違う」と感じるかもしれません。

②社会的信頼を得れる
公務員は社会的信用を得やすいです。
社会的信用の恩恵を一番受けるのは住宅・車などのローンを組むときでしょう。
景気に左右されにくい「収入」、定年まで安定した「雇用」、多額の「退職金」など融資する側にとって安心材料は多いです。
将来借り入れを考えている方は公務員の立場をフル活用しましょう。

③安定した生活・ワークライフバランスがとりやすい
公務員は基本的に土日、祝日は休みです。
なので一般的な一週間のルーティーンで働くことになります。自分の時間を大切にしたい方にとっては重要な要素です。
定時で帰れるかは所属する課によってかなり違います。
少し残念なことをいうと社会福祉士は福祉系の課に配属されることがほとんどですが、残業はけっこうあることが多いです。突発的なトラブルや問い合わせの対応をすることが多く、結果事務作業は後回しってことはよくあります。

一般的にいわれる公務員のデメリット

続いて一般に言われるデメリットを紹介します。
- 年功序列の組織体制
- 定期的に異動がある
①年功序列の組織体制
年功序列とは、年齢や勤続年数に応じて、役職や賃金を上昇させる人事制度のこと。
年功序列制度により人材を確保しやすくする手法は、日本的経営の特徴です。近年では「成果主義」を取り入れている一般企業も増えてきました。
公務員は年功序列の仕組みが色濃く残っています。
勤続年数を重ねるほど一定の役職につき賃金も上がる仕組みです。能力の高くない人が役職を上がっていくことで新人部下に悪影響を与えてしまうことも。
②定期的に異動がある
地方公務員は定期的に違う課への異動があります。
一般的には数年単位で移動することが多いです。「ひとつのことろで経験を積みたい」という方には注意が必要になってきます。

社会福祉士から見た公務員のメリット


社会福祉士が公務員になった時のメリットを教えて欲しい
では次に、社会福祉士の視点に立ち公務員になった場合のメリットをみていきましょう。
- 給与や福祉厚生が充実しており、仕事に集中して取り組める
- 転職しなくても様々な場所で働け、経験を積むことができる
- 行政の立場から福祉と向き合い、行政の仕組みを深く知ることができる
①給与や福祉厚生が充実しており、仕事に集中して取り組める
一般的に知られている公務員のメリットと同じです。
公務員は安定して給料が入り所得面で安定します。福利厚生についても一般水準と同等かそれ以上なのでそういった意味でも安心できます。
自分の生活が不安定で悩みを抱えてしまうと、他人の援助どころではなくなってしまいます。

生活基盤が安定し、援助に集中できるということは相談援助を続けていくうえで大きなメリットになります。
②転職しなくても様々な場所で働け、経験を積むことができる

普段働いている中でこんな風に感じたことはありませんか。
これは公務員全体に当てはまることではないですが、市町村などの地方公務員になった場合、定期的に異動が伴います。
社会福祉士で採用された場合「福祉職」として採用されているので高齢、児童、障がいなど福祉に関する課の異動がほとんどです。

③行政の立場から福祉と向き合い、行政の仕組みを深く知ることができる
福祉の相談業務をしていくうえで行政サービスは切っても切れません。
必ず何かしら行政のサービスを利用することになるといっていいでしょう。
公務員になることで嫌でも行政の知識は身についていきます。上にも挙げた通り定期的に異動もあるので知識の範囲は広がっていきます。

社会福祉士からみた公務員のデメリット


最後にデメリットについても紹介します。
- ひとつの分野に特化することは難しい
- 複数の役割分担を与えられることがある
①ひとつの分野に特化することは難しい
メリット②の悪い面の説明になってしまいますが。
公務員には定期的に異動があり、社会福祉士の枠で採用された場合でも例外ではないことが多いです。基本的に数年ごとに異動になるので、異動先では新しい制度などの知識を学ばねばなりません。

よくいえば広く知識を得ることができますが悪く言うと中途半端な知識になってしまう可能性があります。
②複数の役割分担を与えられることがある
特に規模の小さい市町村だと当てはまります。
近年、公務員の数は減少しており、業務の兼任が珍しくありません。
従って福祉以外の仕事も任される可能性が高いです。政令指定都市などの大きな自治体では専門で任されることも聞きますが、規模によっては複数の仕事を任される可能性があることを覚悟しましょう

私自身も複数の業務を受け持っています。
なので「相談業務にだけ集中していればいい」という訳ではありません。自分なりのペース配分を掴むことが必要になります。
まとめ

いかがでしたか。
公務員にも向いている人とそうでない人がいると思います。自分がどちらなのか考える機会にしていただければ幸いです。
- 社会福祉士が公務員になると「給与が安定し業務に集中できる」「いろいろな部署で働ける」「行政の知識を学べる」など一般とは違ったメリットがある
- デメリットは「福祉以外の仕事を振られる」「異動があるため、特化した知識が得にくい」
もし公務員に興味がある方がましたら別記事も参考にしてみください。
公務員になった時にどんなメリットがある?