

福祉の国家資格の1つである精神保健福祉士。
苦労して合格したはいいもののいまいち資格を活かしきれていないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
また、これから目指そうとしている方も将来役に立つのか不安に感じている方もいると思います。
この記事では精神保健福祉士が役に立たないと言われる理由をわかりやすく紹介します。
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この記事の筆者について

新卒でメーカー営業を1年半務めるも挫折、紆余曲折あり福祉施設に8年勤めました。その間社会福祉士を働きながら取得しています。
その後、30代で地方公務員に資格枠(社会福祉士)で採用され、後に精神保健福祉士の資格も取得しています。
現在はWEBライターをしています。
実体験を交えながら有益な情報を伝えていきます。
この記事は3分程で読めるようまとめています。最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
《結論》名称独占などの性質から役に立たないと感じる部分も。資格を上手に活かしながら立ち回ろう
- 名称独占・給与に反映されない・求人数の少なさから役に立たないと感じてしまう場合がある
- 資格を活かすには職場選びなど、うまく立ち回ることが大切
精神保健福祉士とは

精神保健福祉士とは社会福祉における国家資格の1つで、いわゆる「精神科ソーシャルワーカー(PSW)」と呼ばれる専門職に活かされます。
精神保健福祉士と親和性の高い資格に社会福祉士があります。

では、精神保健福祉士は「役に立たない」といわれてしまう原因をみていきましょう。
精神保健福祉士が役に立たないといわれる理由を3つ紹介

- 理由① 無資格でも同様の業務ができる
- 理由② 給料に反映されづらい
- 理由③ 求人数が少ない
理由① 無資格でも同様の業務ができる

精神保健福祉士は名称独占資格というものに該当し、無資格の方も同様の業務に就くことができます。
ある特定の業務(仕事)において「資格を持つ人だけが、その名称を用いることができる」という資格のことを指します。
似た用語に、業務独占というものがあり、医者や弁護士のように資格がなければ業務ができない資格を指します。
平たくいってしまうと、名称独占資格は、名乗れないだけで誰でも同様の業務はできるのです。
この名称独占資格という性質が役に立たないと感じてしまう場合があります。

と考える方がいてもおかしくありません。

とはいえ、難関試験の合格や、受験資格を得るまでの過程など精神保健福祉士を名乗るのは一筋縄ではいかず、貴重な資格であることに変わりはありません。
理由② 給料に反映されづらい

精神保健福祉士の資格手当 | |
資格手当がある | 27.6% |
資格手当がない | 69.9% |
(ある場合)平均額 | 13,147円/月 |
参考:平成27年度精神保健福祉士就労状況調査結果の実施概要
(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
資格手当をもらっている人は30%弱とのデータが出ており、資格をとっても給料に反映されにくいのが現状のようです。
さらに、平均年収も高いとはいえないのが現状です。
精神保健福祉士 全国平均年収347万円 | |
男性:403万円 | 女性:321万円 |
(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)

理由③ 求人数が少ない
精神保健福祉士を対象とした求人数が少ないという部分も役に立たないと感じる要素と考えられます。

参考:福祉のお仕事 令和3年1~3月 福祉分野の求人・求職動向
上記の表でも分かるとおり、精神保健福祉士の求人%は福祉求人全体のわずか4.4%とのデータがあります。
一方で、類似している資格に社会福祉士があり、社会福祉士は15.4%と3倍以上の求人数があります。

精神保健福祉士を活かすために上手く立ち回ろう


ここまで、役に立たない理由を紹介しましたが、有効に活用する方法もあります。
- 精神疾患は年々増加している
- 就職は年齢が鍵を握る
- 給料が低い面は勤め先でカバーする
精神疾患は年々増加している

参考:厚生労働省「患者調査」
少し、古いデータになりますが、 精神疾患抱えている方は年々増加しており平成26年には 392万人の方が何らかの精神に関わる理由で医療機関に通っていることが分かります。
将来も、精神保健福祉士が必要となる機関(職場)は増え続けることが 予想されます。
したがって、資格が全く無駄になってしまうということは考えにくいということがいえます。
就職は年齢が鍵を握る
精神保健福祉士の資格を活かし就職する場合は年齢が鍵を握るケースが多いです。
というのも、名称独占資格である精神保健福祉士は採用する際に実務経験を優先する傾向にあります。
したがって、資格を取ってから就職するのではなくまずは興味のある職場にできるだけ早く応募してみるのも1つの方法となります。資格自体は働きながらでも取得する事は充分可能です。
将来、加算が増えるなど雇用する側にもメリットが生まれたとき精神保健福祉士の需要が増えることが予想されます。
給料が低い面は勤め先でカバーする
先ほど、精神保健福祉士の平均年収を紹介しましたが、収入面は勤め先で大きく左右される要素です。
なので、収入を中止する場合は勤め先を決める際に比較的収入が高い職場を選ぶことが大切です
規模の大きい精神科の専門病院や地方公務員などの行政機関は比較的給料が高い傾向なので給料面を重視したい場合は検討してみることをおすすめします。

まとめ

今記事では精神保健福祉士が役に立たない理由を3つに分け紹介しました。
今記事では悪い面を紹介しましたが、専門的な知識と経験を証明できる精神保健福祉士という資格はとても価値ある資格であることに変わりはありません。
貴重な国家資格の1つである精神保健福祉士の強みを活かし、キャリアアップなど資格を有効に活用しましょう。
- 名称独占・給与に反映されない・求人数の少なさから役に立たないと感じてしまう場合がある
- 資格を活かすには職場選びなど、うまく立ち回ることが大切